小玉絵里加先生クラス開催!
低速&バランスでライディングを向上させる!

充実したバイクライフ、楽しいバイクライフを送るためには、いくつかのポイントがあります。その中で特に重要なのが、ライディングスキルの向上です。ただし、「スキルの向上=速く走れること」という先入観は非常に危険です。速く走ることは、「速く走るスキルを磨き、それを実践している」結果であり、実際には低速で走る際にも高度なスキル(上手さ)が求められます。

低速でのスキルの重要性を教えてくれたのが、小玉絵里加先生です。小玉先生はトライアル競技において日本のトップクラスに名を連ねるライダーとして広く知られています。小学生の頃から競技を始める一方、16歳で公道を走る免許を取得し、ツーリングなどバイクライフそのものも楽しんでいるそうです。競技で培った技術を公道でのライディングに活かす能力においても、日本トップクラスの存在と言えるでしょう。

前日の大雨がウソのような快晴に恵まれた11月27日、鴨居自動車学校で低速スキル、バランスをコントロールするスキルを磨いていただきました。その一日を紹介しましょう!

安全運転で集合したら、座学から始まる

レッスンが始まる前に大切なミッションがあります。それは、「安全運転で会場である鴨居自動車学校までお越しいただくこと」です。レッスン中は胸部、肩、肘、膝のプロテクターを装備していただきます。これらは無料で貸し出していますが、実際には公道を走行する際にも非常に重要なアイテムです。可能であれば、ご自身で着用してご来場いただくことをおすすめします。

座学

受付を済ませた後は、座学の時間となります。小玉先生の自己紹介からスタートし、参加者の皆さんに「向上させたいポイント」や「不安に感じているポイント」を挙げていただき、それに対する解説が行われました。その中で特に重要視されたのが「クラッチ操作の大切さ」です。参加者から要望の多かったUターンの課題も、実は「ゆっくり走れないこと」が難易度を高めている要因です。低速でエンストせずに走行することは、非常に高度なスキルを要します。座学では、落ち着いた環境で理論をしっかりと理解していただく時間を設けました。

ポジションチェック

ヘルメットを被る前に、まずはライディングポジション(姿勢)の解説が行われ、実際にバイクにまたがった状態でチェックを行いました。バイクはメーカーがバランスを考慮して設計・開発した車体ですが、ライダーの姿勢や乗り方でバランスを崩してしまうと、その性能が十分に発揮されません。
そこで、シートのどこに座るべきか、どのような姿勢で座るべきかを実践的に説明した後、参加者一人ひとりのポジションを丁寧にチェックしました。ご存じの方も多いかもしれませんが、トライアル競技は座らないスタイルで、極めて低速かつバランスを駆使しながら障害物を走破する競技です。
この競技で培われた技術を基にしたポジションの考え方やチェックは、非常に高いレベルで行われました。さらに、ブレーキレバーやクラッチレバーの正しい握り方についても、詳細なレクチャーが行われました。

センシティブな操作でライディングスキルを高める

クラッチ操作

基礎をしっかりと理解していただいたところで、いよいよ実践練習に入ります。まずは外周路をぐるっと走ってウォーミングアップを行い、その後クラッチ操作の練習に進みました。クラッチ付きのバイクでは、アイドリング状態でクラッチをつないだ際の速度よりもさらに減速する場合、「ブレーキよりもクラッチ操作」が重要になります。この操作がうまくできないと、Uターンなどに代表される低速スキルで失敗しやすくなってしまいます。そこで、いわゆる“半クラッチ”の練習に取り組みました。

ただし、ここで重要なのは、半クラッチについての誤解を解くことです。「半クラッチ=クラッチを半分だけつなぐ」というわけではありません。クラッチを操作する際には、切り気味の状態やつながり気味の状態を細かく調整し、それによって速度をコントロールしていくのです。さらに、もうひとつの重要なポイントは「クラッチを固定する」ことです。低速走行では速度を一定に保つことが安定したバイク操作につながります。そのためには、半クラッチの状態を一定に固定する技術が不可欠です。この技術を身につけることを目指し、練習をスタートしました。

ブレーキ操作

低速かつ安定した走行を実現するには、ブレーキの使用も重要なポイントとなります。エンストしなければ、ブレーキだけで速度をコントロールすることが可能です。また、半クラッチやクラッチを切った状態でブレーキを使用し、スピードを調整する方法もあります。しかし、操作が荒くなると転倒のリスクが高まるため、丁寧な操作が求められます。そこで、停止時のブレーキ操作だけでなく、速度を一定に保つためのブレーキテクニックについても練習を行いました。

休憩やランチタイムで楽しく理解を深める

集中してライディングを続けていると、どうしても疲労が蓄積していきます。そのため、適宜休憩を取りながら進めていきます。また、お昼には参加者全員でお弁当を囲みます。この時間は、楽しい雑談を楽しむだけでなく、疑問を解消したり理解を深めたりする貴重な機会にもなります。さらに、休憩時間から自然な流れで座学に移ることもあります。

午前の練習を駆使したライディングを実践

ランチタイムが終わると、午後のレッスンが始まります。午前中に練習した半クラッチでのコントロールや、ブレーキを使った速度調整を組み合わせながら、総合的にバイクを操る練習を行います。

坂道を使ってコントロールをレベルアップ

会場が自動車学校なので、もちろん坂道があります。平坦な道でのクラッチコントロールが上達したので、次は坂道での練習。これは公道で走っていれば出会うシチュエーション。坂道の傾斜も千差万別です。そこに半クラッチを合わせていくワケですから、坂道での練習を取り入れていきます。

一本橋アタック!教習施設のコースを楽しむ

会場が自動車学校であるため、坂道も練習に取り入れられます。平坦な道でのクラッチコントロールが上達した後は、公道で頻繁に遭遇する坂道での操作に挑戦します。坂道にはさまざまな傾斜があり、それに応じて半クラッチを調整する必要があります。このスキルを磨くために、坂道での練習を重点的に行いました。

ラストは振り返りをしてレッスン終了!

レッスンの最後に、一日を振り返ります。この日のレッスンが大切なのはもちろんですが、何より重要なのは、その後のバイクライフにおいてどれだけ意識し、実践できるかという点です。小玉先生からのアドバイスを受けて、レッスンは終了しました。ご参加いただいた皆さま、本当にお疲れ様でした。次回のレッスンへのご参加をお待ちしております。