身長150センチと小柄で細いバイク乗りコスプレイヤー。雑誌などでも活躍中で、撮影のためにももっと上手になりたいと意欲的。愛車はCBR250R。
理論派ジャーナリストにして柏ライディングスクール(KRS)の校長でもある。速さよりも上手さ、かっこよさよりも安全を大切にした教え方は大人気となっている。得意技はダジャレ。
前回は「苦手」と言う“取り回し” “低速走行” “Uターン”を克服したみかんちゃん。その成長には先生もスタッフも驚かされた。
今回は「もっと上手になりたい」と、二度目となるレッスンの受講です。大阪・舞洲と遠い場所なので、レンタルバイクのエストレヤを借りて来ました。慣れないバイクではありますが、集まった約20名の受講者に負けない熱意でレッスンに臨みます。
アプローチの違いと前回の経験で理解度が急上昇
前回同様に座学始まる一日。基本的な内容は前回と同じなのですが、イスに座って聞き入っているみかんちゃん。「メリット5の部分とか、あぁこういうことだったんだと驚いちゃいました」というのが理由。実は柏先生も台本があるわけではないので、参加者のみなさんの受講歴や不安に思っていることなどによって話のアプローチが違います。このアプローチの違いによって、前回とは違った部分が分かることもあります。前回はバイクの模型、今回はホワイトボードを活用しての座学になったので、感じ方は大きく違ったでしょう。特にメリット5には五項目の要素が詰まっているので、違いは大きく感じるはずです。
また、一度経験しているからこそイメージが作りやすくなり、話の内容をさらに深く理解していくことができるのです。「すっごくイメージが沸きました!」というのは本音の一言。今回の成長も楽しみです。
一度体験しているから、物凄く分かりやすいよ♪
低速コントロールが格段に上達していた
さぁいよいよメリット5と呼ばれる練習に入る。“半クラッチでスタート”と“ブレーキで止まる”を低速でなおかつ路面に垂直な状態で練習し、丁寧な操作とバランス補正を身に付けていく。前回「苦手を克服できました!」と大喜びした内容だ。
慣れないバイクだからと心配するスタッフ達を尻目に、走り出しからスムーズで滑らかなライディング。“フルステア&半クラ”で垂直状態を保った低速コーナリングも安定しています。柏先生からもほめられますし、スタッフ達も驚きと感心で見ていました。実は「家を出る時にいつも使っていました。だって便利で怖くないテクニックですから!」と、入念な復習ができていました。柏先生がよく言う「日常のバイクライフが一番の練習」を実践していたのです!
ワンステップ上がり“半クラ→勢い良く加速→強く減速→停車”というメリハリを大事にした練習でも成長が感じられます。特にブレーキング時にはフロントフォークが大きく沈み、自信を持っているのが見て取れます。
「みかんちゃん、凄いね! 物凄い成長だよ」と柏先生も大絶賛でした。
普段のバイクライフでの成長がわかって、うれしい!
Uターンの登竜門とも言うべき“JFターン”。Jの字を書くようにすぅっとブレーキをかけながら曲がって止まります。方向転換が目的なら、止まったところからハンドル一杯に切った状態で半クラターンをすればOK! すぅっとが長く続けばUターンになります。もちろん、Uターンの途中で「曲がり切れない」と判断した時にも、すぅっと止まれば安全で安心! タイトなコーナリングにも使えちゃう素晴らしいテクニックです。
前回みっちりと鍛えてもらった“Jの字を書く止まり方”。今回は最初から「そう! 良いね!」と褒めていただけました。しかも毎回しっかりとコントロールができています。柏先生の言う「再現性(何度でも同じにできる)が大切」ができているワケです。みかんちゃんも、教えている柏先生も大喜び! 教え子の成長は先生の喜びなのです。
これも普段から使えて便利♪ 使って上手になっちゃった!
“走る” “止まる”のテクニックが上達した実感を得て、次は“曲がる”を加えた『トライカーナ』へと進みます。
前回は雨ということもあってタイム計測はしませんでしたが、今回はドライコンディションなので「プレッシャーがかかった時の自分を知るため」に最初と最後にタイム計測をします。他の方とタイムを競うための計測ではありませんから、転びそうになりながら良いタイムを出してはいけません。平常心でしっかりと「習ったことを意識して走る」(柏先生)ことが大切なのです。
前回は「難しい」と言いながらも気持ち良く走れるようになったみかんちゃん。今回はどうでしょう? あれ? 笑顔がない!
そう、タイム計測のプレッシャーに負けてしまっていたのです。案の定、ライディングもガチガチで、狙っているはずの“コーン近く”を走れていません。それどころか「前回に教えてもらったことも頭から抜けちゃいました…」というほどで、前回よりも明らかにぎこちない走り。タイムは1分4秒でした。うーむ、タイム計測恐るべし…。
トライカーナで速く、安定して曲がるテクニックとして「スロットルを一定量開けたままブレーキ」があります。タイトなコーナリングをしますので、立ち上がりは「ブレーキを緩やかにリリースしていくだけで加速をコントロールする」ことができます。同じ右手で行う“ブレーキ”と“スロットル”を両方微調整するのではなく、片方だけに集中することができるのです。
速さよりも安定を求めるならば、アイドリングでも良いですし、反対の手で操作するクラッチを活用するのも良い方法。クラッチを切って加速パワーをゼロにしてしまうのです。“ブレーキのコントロール”に集中できることが大切です。
最初のタイム計測が終わり、練習になると3台ずつの走行となります。「遅いと後ろの人に迷惑だから…」とスロットルを開けながらブレーキをかけるコーナリングに挑戦するみかんちゃん。柏先生から「直線で練習してみよう」とアドバイスを受けて少し良くなりますが、コーナリングに使うにはもうちょっとかかりそう。そこで途中から方法を変えて、クラッチを使うコーナリングにします。
元々、トライカーナに「遅いと…」なんて気を遣う必要はないのです。前の人に速度を合わせたり、周囲のライダーの状況を把握しながら走ることも大きな練習。公道を走る時にはもっと多くの状況を把握して走るのですから。
ちょっとお悩みモードに入ってしまったみかんちゃんに、柏先生からタンデムのお誘いが来ました。タンデムシートに座って感覚を身につけるのです。何周かしてもらっている間に、みかんちゃんの「気持ち良く走れた」前回の記憶が蘇ってきます。
その後に練習を再開した時、他のライダーの後ろを着いて走っていくと見違えるほどコーンの近くを走れています。悩んでしまった原因は走行ラインにあったようです。曲がりにくい角度で進入するので、気持ち良く曲がれなかったのです。そこに気付いたみかんちゃん。少しずつライディングが滑らかになり、楽しさが溢れてきます。
ラストはもう一度タイム計測です。「もうちょっと練習してから計りたい」と言っていましたが、最初のタイム計測からは見違える走り。タイムは何と50秒にまで短縮していました!
無理な走りはダメ! 楽に走れるように考えます