バイクの電源がつかない原因と対処法を解説!トラブルを未然に防ぐための対策も紹介
「バイクのキーを回しても電源がつかない」
急いでいるときにこのようなトラブルに見舞われると慌ててしまいますよね。
愛車が壊れてしまったのではないかと心配にもなるでしょう。
ですが、電源がつかなくなる原因をあらかじめ知っておけば、落ち着いて対処ができます。
本記事では、バイクの電源がつかなくなる主な原因と対処法について解説します。
電源トラブルを未然に防ぐための日頃から行える対策についても紹介していきますので、この記事を参考に万が一の場合に備えておき、すぐに対処できるようにしておきましょう。
バイクを走行させようと電源を入れてもつかなかったり、通常走行中に突然エンジンがストップしてしまったりといったトラブルは、バイクの初心者やベテラン問わず、誰でも起こり得ることです。
バイクの電源がつかなくなる主な原因は以下の6つです。
詳しく説明していきますので、対処法を確認する前に、まずは原因から知っておきましょう。
バイクの電源がつかないよくある原因として、キルスイッチがオフになっているという場合があります。
キルスイッチは、イグニッションコイルや燃料噴射装置といった点火系統への電気供給を遮断する装置であり、緊急時にエンジンを停止させるときなどに使うものですが、ふとした拍子にオフにしてしまっていることもあるでしょう。
この場合、キルスイッチをオフからオンに変えるだけで解決します。
焦っていると見逃してしまいがちですが、落ち着いて対処するようにしてください。
ヒューズは、決められた容量以上の電流が流れないようにするための部品であり、想定以上の強い電気が流れた場合、ヒューズが切れることで電子部品を守っているのです。
そのため、ヒューズは過電流が流れると焼け切れて電流を遮断するので、キーを回しても電源が入らなくなってしまいます。
ヒューズが切断される原因は過電流であり、それが起こる主な要因となるのは以下の4つです。
ヒューズが切れた場合、その原因を特定することが重要です。原因が解決されないまま新しいヒューズを取り付けても、再び過電流が流れる可能性があるため、同じ問題が繰り返される恐れがあります。レギュレーターの故障の場合、ジェネレーターコイル(発電コイル)とレギュレーターの両方に故障が発生する事も考えられます。一度過充電が発生した場合は、速やかに整備工場で点検を行ってください。
ヒューズの交換方法は、まず車両のマニュアルを参照し、適切な容量のヒューズを選び、指定された手順に従って交換を行うことが基本です。適切にメンテナンスを行うことで、車両の電気系統の安全性を保つことができます。
バイクで起こるトラブルの中でも起こりやすいのがバッテリー上がりです。
この現象は、バイクのバッテリー内に蓄えられている電気量が、一定の量を下回ると起こり、バイクが電気不足に陥り、電源が入らずバイクが動かなくなってしまいます。
バッテリー上がりの主な原因としては、以下のものが挙げられます。
バッテリーの寿命は仕方ありませんが、点検の不備やバイクの扱い方によってはバッテリー上がりが起きやすくなるため、注意が必要です。バッテリーの劣化は、レギュレーターの異常電圧を引き起こす原因にもなります。無負荷時の電圧が正常でも充電負荷がかかると異常を発生する事もあります。3年以上使用しているバッテリーは注意が必要です。
バッテリー上がりを防ぐためには、定期的なバッテリーの点検や充電が重要です。特に長期間バイクを使用しない場合は、バッテリーの取り外しや充電器を使用することで、自然放電を防ぐことができます。
また、バイクの使用頻度を増やし、エンジンを定期的にかけることでバッテリーの電圧を維持することも有効です。これらの対策を行うことで、バッテリー上がりによるトラブルを未然に防ぐことが可能です。
電気系統の配線の不具合も電源がつかない原因の1つで、旧車や絶版車に特に多いです。
配線は電力を供給するために重要な役割を果たしますが、配線が摩擦したり腐食したりすると電力が供給できなくなり、電源がつかなくなってしまいます。
ただし、配線はいくつもあり、目に見えない部分で接合されているため、場所の特定がしづらく作業が難しいのが特徴です。
スターターリレーの不良により電源が繋がらない、または、セルボタンを押しても反応しない事もあるでしょう。
このリレーに不良が発生した場合、キルスイッチがオフの状態でもセルが回りません。症状として分かりやすいのは、キーをオンしたときにカチッという音がしない場合、リレーの故障が考えられます。
キーを回してもカチッと音がしない、セルが回らないなどの症状が発生したら速やかに整備工場で点検を受けてください。
キーを回してもニュートラルランプが点灯せず反応しない場合、キーシリンダーの接触不良が原因である可能性があります。
キーシリンダー内部にサビや汚れが付着している、または、内部の接点の摩擦などが大きな要因です。
雨天走行や屋外保管などで雨や湿気が多い環境下にバイクをおいているとサビが発生しやすくなりますし、キーシリンダーを長期間使用し続けていると、接点が摩擦しやすくなり、結果としてキーを回しても電源がつかなくなってしまいます。
このような問題を防ぐためには、定期的なメンテナンスが必要です。
具体的には、キーシリンダーに潤滑スプレーを使用して内部の摩擦を軽減することが有効です。また、バイクを雨天時に使用した後は、できるだけ早く乾燥させることも大切です。さらに、屋外保管を避け、可能であればガレージやカバーを利用してバイクを保護することもおすすめです。
これらの対策を実施することで、キーシリンダーの接触不良を予防し、バイクの長寿命化に繋げることができます。
バイクに乗ろうとしたときに、電源がつかないと動揺してしまうかもしれませんが、対処法を知っていれば慌てずに適切な対応ができるでしょう。
そこで、バイクの電源がつかないときに試して欲しい対処法について解説します。
バイクのキーを回しても電源がつかず全く反応しない場合、まずはバッテリーを点検して必要であれば充電を行いましょう。
電圧計を使ってバッテリーの電圧を測定し、12Vを下回っている場合はかなり弱っているといえるため、充電器を使用して充電し、再び電圧を測ってからエンジンを始動させます。
バッテリーはエンジン始動はもちろん、電装品を動かすうえで必要な電力を供給するものなので、定期的な点検や充電を行うようにしてください。
バッテリーを充電したり、バッテリー上がりの対処法を試したりしても、電源がつかない・電源が1度ついても数日後に同じ症状が起きるなどの場合は、バッテリーの新品交換が必要である可能性が高いです。
バイクのバッテリーは、使い始めてから2〜3年程度で寿命がくると言われているため、交換時期の目安としましょう。
長期間バイクを走行させていない場合のバッテリー上がりの場合、走行させると満充電されますが、寿命がきているバッテリーは満充電されないため、どのような状況か見極め、弱っているなら早めに交換するのが望ましいです。
バッテリーに問題がないとしたら、ヒューズの切断が考えられるため、ヒューズを確認し、切れている場合は新しいものに交換すれば、電源がつかない問題を解決できるでしょう。
まず、バッテリー近くのメインフューズから確認し、アクセサリーヒューズボックスのカバーを外してヒューズを1つひとつ確認し、切れているものがないか探します。
切れているヒューズが見つかったら、同アンペアの新品のヒューズと交換して動作確認を行ってください。
バイクの電源がつかない原因が特定できない場合や自身で対処できない場合、無理をせずバイクショップに修理を依頼しましょう。
バイクの修理にかかる費用は、修理内容や修理箇所によっても大きく異なりますが、目安として以下を参考にしてみてください。
カウル脱着の工賃は別途かかります。
また、こちらの費用はあくまでも目安であり、実際はバイクの種類やバイクショップによっても異なるため、事前に見積もりをとっておきましょう。
旧車や外国車の場合、パーツの有無を確認するために事前にバイクショップに問い合わせてからバイクを持ち込むのがおすすめです。
日頃からの対策やバイクの扱い方によって、電源トラブルを未然に防ぐことができます。
ここでは、バイクの電源がつかない状況にならないための対策方法について紹介していきます。
電源がつかないなどの悪い症状が出る前に、1ヶ月に1回程度、バッテリーの充電状態を点検するのがおすすめです。
バッテリーの電圧は電圧計でチェックできますが、市販の電圧計は数千円で購入できるものがあるほか、バイクショップやガソリンスタンドで無料で点検できる場合があります。
特に異常を感じなかったとしても、定期的な点検を実施することで不具合にすぐに気付けるようになるので、電源がつかないなどのトラブルを未然に防げる可能性が高いです。
自身で行うのが難しい場合は、バイクショップに整備や定期点検を依頼しましょう。
バイクのバッテリーは自然放電するので、長期間バイクに乗らないでいると全く充電されていない状態が続き、バッテリー上がりの原因になります。
バッテリーは、エンジンが動いている時に充電されるため、バッテリーの充電状態を維持するためには定期的にバイクを走行させることが大切です。
そのため、バイクをなるべく放置せず、2週間に1度、30分以上は乗るように意識しましょう。
冬場など、長期間バイクを使用しない場合は、バッテリーを車体から外して意図的に通電しないようにし、バッテリーの自然放電を防ぎましょう。
基本的にプラスドライバーがあれば簡単に取り外せますが、ここで重要なのが、必ずマイナス端子から先に外し、取り付ける際はプラス端子からつなぐという点です。
プラス端子から先に外すとショートする恐れがあるため、注意しましょう。
バイクは車と違い、エンジンやマフラーなどの主要パーツがむき出しの状態です。
そのため、室外にそのままバイクをおいていると雨や風、砂埃、紫外線などの影響を受けて、パーツの劣化が進んでしまうほか、雨や湿気が電気系統のトラブルにつながり、電源がつかなくなってしまいます。
ですから、できるだけ外気の影響を受けないように室内に保管するのがおすすめです。
バイクは雨の日でも走行できるため、屋外保管しても問題ないと思われがちですが、前述した通り、サビや接触不良の原因となります。
そのため、室内で保管できるスペースがなく、屋外で保管しなければならない場合はカバーをかけ、雨や紫外線などからバイクを守りましょう。
バイクカバーが風に煽られないように、カバーを縛るのもおすすめです。
また、先に毛布をかけてからカバーをかけると、湿気対策になります。
屋外にバイクをそのままの状態で保管していると、雨や湿気でキーシリンダー内部がサビやすくなります。
また、エンジンキーの挿入頻度が多ければ、キーシリンダーの劣化も早くなるため、接触不良を起こして電源が入らないということのないよう、定期的に清掃する必要があります。
パーツクリーナーのノズルをキーシリンダーに差し込み洗浄し、内部に溜まった汚れを洗い流して綺麗にします。
雨水がバイクの電気系統に侵入してしまうと、ショートや接触不良を引き起こして電源がつかなくなる恐れがあります。
そのため、雨天走行後の適切なケアが重要です。
雨天走行後は電気系統周りについた水分を中心に乾いた布でしっかりと拭き取り、できれば屋内の風通しの良い場所に保管して乾燥させましょう。
キーシリンダーには防サビスプレーを使用してサビの発生を防ぐのも有効です。
バイクの電源が入らなくなる主な原因は以下の6つです。
上記以外にも、電源トラブルの原因は多岐にわたるため、何が要因となっているのか1つひとつ確かめてみましょう。
ただし、電気系統の問題など、状況によっては修理に専門的な知識や技術を要する場合があり、無理にいじろうとするとかえって問題が大きくなってしまう恐れがあるため、自身で行えない作業の場合はバイクショップに点検や修理を依頼するのがおすすめです。
また、日頃から点検、バイクの適切な保管を行うなど対策をとっておくことで、トラブルを未然に防ぐことができるため、併せて確認していただけたら幸いです。
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