バイクのエンジンがすぐ止まってしまうのはなぜ?原因と対処法、今すぐできる対策を紹介
バイクを走らせていると、エンジンがかからない、かかってもすぐに止まってしまうというトラブルに遭うライダーも多いです。
様々な原因でバイクがエンストするなどエンジントラブルになる恐れがあり、突然このようなトラブルに見舞われた場合に、落ち着いて行動できるようにするためにも、原因や対処法を把握しておく必要があります。
本記事では、バイクのエンジンが止まってしまう主な原因と対処法について解説します。
また、エンジントラブルを未然に防ぐための対策方法についてもお話ししますので、ぜひこの記事を参考に、愛車が動かなくなってしまった場合に備えておきましょう。
バイクでよく起こるとされているエンストは、エンジンストールの略で、「ストール(stall)」には失速、停止という意味があります。
エンストは、バイクのエンジンが意図せず止まってしまう状態を指します。
バイクを動かすために必要な力に対して、エンジンの力が足りないことにより起こり、その原因は様々です。
バイクでの走行中に突然止まってしまうと危険性が高く、注意すべきポイントです。
エンストの原因によっては自身でトラブルを解決することができますが、バイクショップ等で修理を依頼する場合は、エンストの原因やトラブル発生後のバイクの扱い方によって修理にかかる時間や料金が大きく変わってきます。
万が一、バイクがエンストしてしまったら無理に走行させようとせず、まずは安全な場所にバイクを停車し、どのような状況でエンストをしたのかを思い出しながらバイクの状態を確認してみましょう。
バイクのエンジンが止まってしまうと、身動きがとれなくなってしまうため、何とかしたいですよね。
適切に対処するには、まず原因を突き止めなければなりません。
そこで、バイクが止まってしまう主な原因を説明していきます。
エンジンが止まる原因として意外と多いのはガス欠です。
ガソリンで走るバイクならばどのようなものであれ、ガソリンがなければ走ることができません。
そのため、エンジンが止まってしまったらまずはガス欠を疑い、ガソリンメーターを確認するか、ない場合は一度タンクのキャップを開けて中にガソリンが入っているか確認し、目視でわからないときはキャップを外したまま車体を揺らし、音で判断しましょう。
また、ガス欠ではなく以下が原因でガス欠に似た症状が現れる場合もあります。
バイクのアイドリングは、エンジンが掛かった状態でアクセルを全く開けていない状態を指します。
アイドリング時のエンジン回転数はおよそ1,000rpmあたりで、回転数がほぼ一定で安定しているのが正常なのですが、暖機運転や信号待ちなどでアイドリング状態になったときに回転数が安定せず、アイドリング中に突然エンジンが止まってしまうことがあるのです。
アイドリングが不安定になる主な原因は、バッテリー不足やパーツの劣化・汚損などがあります。
古いバイクはキャブレターが使われているケースが多いですが、キャブレター内に汚れや詰まりがあると、ガソリンの送り込みが不安定になり、空気と燃料の適切な混合を妨げ、エンジンが止まる原因となります。
長い間バイクに乗らずに置いているとガソリンが劣化し、キャブレターの詰まりを起こす恐れがあるのです。
また、エアーフィルターを通ってきた空気は、キャブレターでガソリンと混ざって混合気となるため、エアフィルターに汚れがある場合もエンジンが止まる要因となります。
そのため、それぞれ定期的に分解、洗浄して清潔に保つ必要があります。
ジェネレーターはエンジン稼働時に交流電気を発生させる発電機、レギュレーターはジェネレーターで発生した交流を直流の13~15Vに変換する部品です。この2つのうちどちらかでも故障があった場合、電力不足や過電流の異常が発生し、以下の問題が起こる可能性があります。
電力不足の場合、
過充電の場合、
そのため、発電系統の不具合が発生するとエンジンが止まる原因になります。
バッテリー上がりもバイクトラブルでよく起こる現象で、エンジンが止まる原因となります。
バッテリー上がりはバッテリーが劣化し、蓄えられる電気量(電力)が一定量を下回り電力を供給できなくなることを指し、セルのように大きな電力が必要な場合に力を発揮しません。また、近年のインジェクション車は、ECU回路保護のためバッテリーが一定の電圧以下になった場合にエンストしてしまいます。
バイクのバッテリー上がりは主に以下の原因で起こります。
バッテリーは走行中であっても劣化すれば、アイドリング時の電力不足によりエンジンが止まり、再始動できなくなります。ジャンプスタートでエンジンがかかり走行できても、充電機能が復活せず信号待ちで止まってしまうこともあります。バッテリーの状態を確認し、充電が弱ってきたら早めに交換してください。
焼き付きとは、エンジン内の金属が溶けてくっついてしまう状態をいい、主に以下の原因で起こります。
エンジンオイルが劣化したり、不足したりすると、オイルの粘度が均一でなくなり、エンジンが焼き付いてしまう可能性があるのです。
激しい焼き付きの症状の場合、走行中にエンジンがロックして転倒する危険性もあるので、注意しなければなりません。
基本的な操作ミスによってエンジンがかからなかったり止まったりしてしまう可能性があるので注意が必要です。
バイクの車種によっても異なりますが、以下のケースでエンジンがかからない・止まるバイクもあります。
この場合は、正しい操作でエンジントラブルを解消できるため、落ち着いて対処しましょう。
バイクに間違った燃料を給油してしまった場合もエンジンが止まる原因になります。
ライダーなら知って当然とも言えますが、軽油というのはディーゼルエンジン用の燃料であり、ガソリンエンジンに軽油を入れても走ることができません。
そのため、違った燃料を入れたバイクを走らせてしまうと、エンジンが突然止まるだけでなく、内部パーツが損傷したり、キャブレターやインジェクターなどの燃料噴射装置にも悪影響が出てしまい、修理費が高額になってしまう恐れがあるため注意しましょう。
燃料ポンプの不具合はバイクを走らせ始めてエンジンが温まる際に起こりやすく、走行中にエンジンの調子が乱れたり停止したりする恐れがあります。
燃料ポンプが故障してしまう主な原因は、ポンプ内での温度の上昇やゴミの詰まり、ポンプ本体の故障など様々です。
猛暑日などの気温が高くなる日に走行や停止を繰り返すと燃料ポンプの故障が起こりやすく、長期間エンジンをかけなかった場合、ポンプ内の燃料が劣化する事もあります。また、古いバイクの場合、燃料ポンプの寿命で動かなくなります。
燃料ポンプの作動確認は、キーON時にモーター音が聞こえます。音がしない場合、燃料ポンプの不具合の可能性があります。
バイクのエンジンが突然止まってしまったら、まずは安全な場所でバイクを停止させる必要がありますが、その後どのように対処すれば良いのでしょうか。
ここでは、エンジンが止まってしまった場合の対処法をご紹介します。
バイクのエンジンが止まってしまった場合、まずは数回程度エンジンの再始動を試みてください。
キックスターターで再始動する場合、はじめにスタンドを立ててから前輪にブレーキをかけ、アクセルを全開にしないように注意しながらキックスタートをするようにしましょう。セルスタートの場合、キルスイッチOFFを確認し、クラッチを握りセルボタンを押してください。セルが回らない場合は、メインキーをONOFFしてみてから再度トライしてください。
それでもエンジンがかからなければ、無理をせずに安全が確保できるところまで手押しで移動し、エンジンが冷えるのを待ってから再始動を試みるのがおすすめです。
ただし、電気系統に何らかのトラブルが発生している場合、たとえ再始動できたとしても、すぐにエンストしてしまう場合が多いので注意してください。
自力で直すのが難しく、動かなくなったバイクは交通の妨げになるため、安全な場所に移動させた後、レッカー移動を依頼してバイク修理をする必要があります。
動かないバイクの移動を依頼する手段としては、以下の3つです。
このような事態に備え、もしもの場合の連絡先を把握しておくことも大切です。
突然エンジンが停止してしまうような万が一のトラブルに備え、ロードサービス付きの任意保険に加入しておくのがおすすめです。
ロードサービスは、バイクの走行時にトラブルが発生した際に様々な支援を受けられるサービスで、ガス欠やバッテリー上がりなどのエンジントラブルにも対応してもらえます。
レッカーサービスや宿泊・帰宅保証などが備わっているケースもあり、バイクで長距離を走行する場合にトラブルに見舞われることがあっても、ロードサービスがあると安心です。
バイクのエンジンが止まってしまったら、慌てず適切な対処をする必要がありますが、そもそもエンジントラブルを起こさないような対策をとっておくことが、愛車を守るために重要です。
ここでは、バイクのエンジンが止まるのを未然に防ぐための対策についてお話しします。
バイクの命とも言えるエンジンが止まるのを防ぐためには、ガス欠しないよう十分注意しなければなりませんが、適切な燃料を使用することも重要です。
日本のガソリンスタンドではレギュラー、ハイオク、軽油の3種類の燃料を販売していますが、バイクの場合はレギュラーかハイオクのどちらかになります。
バイクに軽油を入れるのはもってのほかですが、ハイオク指定のバイクにレギュラーガソリンを入れてしまうと、異常燃焼を起こし、エンジンが壊れる可能性があるので注意が必要です。
バイクの定期的な点検やメンテナンスは、様々なエンジントラブルを防ぐための重要な手段です。
バイクには多くの消耗品が使われているため、清掃が必要な箇所やパーツそれぞれの適切な交換タイミングを見定め、適切にメンテナンスすることで、バイクを良好な状態に保てるようになります。
また、自身では汚れや劣化を目視で確認できないパーツもあるため、バイクショップなどで定期的な点検を受け、状態を確認してもらうのがおすすめです。
いち早くエンジントラブルの原因になる要素を取り除けば、エンジンが止まるなどのトラブルを未然に防げる可能性が高くなるでしょう。
バイクのエンジン性能を最適に保つためには、それに関連するパーツを綺麗にしておくことが重要です。
特に、空気の流れを左右するエアフィルターやガソリンを適切な量送り込むキャブレターの内部に汚れや詰まりがあると、空気と燃料の混合気のバランスが悪くなり、エンジントラブルの原因となります。
そのため、定期的なキャブレターの洗浄やエアクリーナーの清掃、もしくは交換が必要です。
長期間バイクに乗らないでいると、バッテリーが上がってエンジンがかからない、突然止まるなどのトラブルが発生しやすくなります。
そのため、バイクを正常に維持するためにも、長距離でなくても構わないので、1〜2週間に1度のスパンで30分以上は乗るようにしましょう。
また、冬に雪が降る地域で長期間バイクに乗らない場合はバッテリーを車体から取り出して室内保管するのがおすすめです。
その場合は定期的に補充電し、放電による性能低下を防ぐようにしましょう。
バイクのエンジンが止まってしまう原因は今回ご紹介した以外にも様々なことが考えられます。
何度も止まってしまうのを放置して無理に走らせてしまうとエンジンが壊れてしまう危険性もあるため、自力で対処できない場合はバイクショップなどで細部まで点検してもらい、適切な処置をしてもらうのがおすすめです。
あらかじめ対処法や予防法を知っておけば、もしもの場合でも落ち着いて対処できるので、愛車を長く使い続けるためにも、ぜひこの記事を参考にしていただけたらと思います。
エンジンの不具合や、走行中の違和感を感じた場合は、まず一度オイル交換を行うイメージで来店し、違和感の原因を確認すると良いと思います。
2りんかんでは、国家整備士が法定点検も行っていますので、ぜひご気軽に来店ください。