バイクのサーキット走行に必要なツナギとは?初心者がレーシングスーツを選ぶ際のポイントを解説
ライダーの方でサーキット走行を楽しみたいなら、バイク用ツナギを準備する必要があります。
バイク用ツナギは「レーシングスーツ」と呼ばれるもので、転倒時など万が一の際に自分の身体を守るために重要な装具ですが、サーキット初心者の方はどのようなレーシングスーツを選べば良いか迷ってしまいますよね。
本記事では、サーキット走行初心者が安心してバイクを走らせるために必要なレーシングスーツの選び方のポイントを解説します。これからレーシングスーツを装着してサーキット走行をしてみたいという方は、参考にしてみてください。
バイクにおいて、一般道ではなくサーキットなどのコース内を走行することをサーキット走行といいます。
サーキット走行には以下の種類があります。
公認レース
サーキット走行初心者の方でも気軽に始められるものから、プロ同士が走行するものまでさまざまですので、一つずつ詳しく見ていきましょう。
公認レースとは、走行ライセンスが必要なレースです。
ライダーライセンスが必要で、MFJライセンスを取得するとMFJ公認の競技レースに参加・出場できます。ライセンスには複数種類があり、初心者には最もハードルが高いレースです。
草レースとは、いわばアマチュアレースです。
アマチュアレースとはいえ、本気で参加しているライダーが多数いますが、初心者でも参加出来るレースです。ライセンスが不要もしくは、開催されるサーキットの専用ライセンスのみで参加することが出来ます。
フリー走行とは、ルールに沿ってライダーが自由に走行するサーキット主催の練習会です。所定のライセンスが必要な場合がありますが、自由に走行できるのでハードルは下がってきます。しかし周囲にスピードを出す人もいますので、初心者は注意が必要です。
サーキットスクールとは、サーキット場などが主催しています。初心者や上級者などレベルが分けられており、講師がつくので参加しやすいイベントといえるでしょう。半日~1日のスクールが多く、料金は2万円前後が相場となります。初心者でも安心して参加できます。知識や経験を増やしつつ、しっかりサーキットの走行もできるので満足度が高い傾向にあります。
「走行会」「サーキット走行会」などと呼ばれるもので、バイクショップや用品店、タイヤメーカーといった団体が主催する会です。サーキットの枠を数時間貸切って、参加者で貸切り料金を割って精算します。参加料金は、シーズンやサーキット場の条件などにより異なりますが、目安としては1万~3万円となります。ライセンスを持っていなくても参加できるものが多いので気軽に参加できます。
大手ショップやサーキットが主催する体験走行会は、「体験」という名がついているとおり、サーキット場デビューの人に向いている会です。先導車がついており、ゆっくりとサーキットの雰囲気を楽しみます。ライセンス不要で、普段のウェアで参加することができるクラスもあるので、初心者にとって敷居が最も低いイベントといえます。参加費用も数千円〜と手軽に参加できますが、早く走ることを極めたいをライダーには不向きです。
レーシングスーツは、サーキット走行を目的とした装具で、革素材で上下のつなぎ目がないものが一般的です。
公道よりもスピードが速いサーキット走行では転倒時のリスクが高いため、身体を守るのに欠かせないアイテムとなっています。
バイクでサーキット走行をするときは安全を考慮し、基本的にこのレーシングスーツを装着するのが決まりです。
バイク用レーシングスーツは本来、革をメインとした素材で作られており、肩・肘・腰・膝など各部にプロテクターを内蔵しており、安全性を考慮した作りになっています。そのため、激しい転倒などのアクシデントが起こった際に、ライダーを守ってくれます。
このように万が一のアクシデントに備えられることで、ライディングに専念でき、ライダーの技術力向上にも役立っているのです。
バイク用レーシングスーツは大きく分けて、上半身と下半身が一体となったワンピース型(ツナギタイプ)と、上下別のセパレート型(ツーピース)に分けられます。
それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
ワンピース型は、上半身と下半身が分かれていないツナギタイプのレーシングスーツです。上下でつなぎ目がないため、ライダーの身体にピッタリと合うフィット感を得られるのが特徴です。
バイク用レーシングスーツとしては、こちらのワンピース型が主流となっており、サーキットやレースを想定して選ぶ場合はワンピース型が適しています。
逆に、脱着に手間がかかるというデメリットがあるため、ツーリングに利用する場合にはやや不向きです。
セパレート型は、上半身と下半身が分かれたレーシングスーツで、レザージャケットとレザーパンツとして単体で着用できるタイプと、ワンピース型をベースに作られ単体では着用できないものとに分かれます。
ワンピース型は前部が後部よりも短く構造され前傾姿勢がしやすくなっているのに対し、セパレート型は前後が同じ長さのため、上体を起こしたライディングポジションでも楽に走行できるので、ツーリングにも向いています。
ただし、サーキットによっては着用が認められないケースもあるので注意が必要です。
サーキット走行は危険が伴うものなので、レーシングスーツ以外にも以下の装備にこだわる必要があります。
ヘルメットは頭全体を覆うフルフェイスタイプで安全性の高いSNELL規格を通っているものがおすすめです。また近年はヘルメットリムーバーの義務化が進んでいますので、揃えておきたいアイテムです。
※ヘルメットリムーバー・・・転倒した際にライダーのヘルメットを外すのに役立つヘルメット脱着システム。
BERIK LS1-171334(画像はメーカーサイトより引用)
RSタイチ GP-WRX R307 (画像はメーカーサイトより引用)
初めてサーキット走行する場合、レーシングスーツなどの装備を用意しておく必要がありますが、どれを選べば良いかわからないと悩む方も多いでしょう。
初心者がレーシングスーツを選ぶ際のポイントは以下の8つです。
詳しく説明していきますので、レーシングスーツ選びの参考にしてください。
既製品のレーシングスーツ(ツナギ)を「吊るし」と呼ばれています。
レーシングスーツを選ぶ際は、この吊るしかオーダーメイド品かを選択する必要があります。吊るしのレーシングスーツはオーダーメイド品よりも安価で初心者の方でも手に入れやすいのが特徴です。
オーダーメイド品はライダーの寸法に合わせて合わせて作るため、フィット感に優れ、操作性も良くなりますが、その分費用が高額になります。
サーキット走行を目的として作られているレーシングスーツですが、そもそもレースやサーキットで走行する機会が少なく、何度も着用しないという人もいるでしょう。
レーシングスーツは価格が高額になりがちで、保管場所も必要になるため、着用頻度が少ない方は購入せずにレンタルサービスを利用するのもおすすめです。
レンタルサービスはメーカーが行っているものやサーキットで行っているものがあり、実際に着用してバイクに乗ることができるので、より確実なサイズ選びにもなりますし、購入前に試したい方にも有効となります。
適切なサイズのレーシングスーツを選ぶには、ライディングポジションで試着するのがおすすめです。
ツナギタイプのレーシングスーツは着やすさや脱ぎやすさを考慮して、大きめのサイズを選ぶ人が多いです。
しかし、大き過ぎたり窮屈過ぎたりすると操作性を損なってしまうため、ライディングポジションをとったときにしっかり身体にフィットしているか確認し、実際走行するときに操作しやすいか想定して選びましょう。
プロテクターは、胸部や背中部にも装着を義務付けているケースが多いですが、標準装備されていないレーシングスーツもあります。
そのため、サーキット走行を目的にレーシングスーツを選ぶのならば、あらかじめ必要な規格であるか、プロテクターなどの装備が備わっているか確認しましょう。
レーシングスーツの試着時には、なるべく走行時の状態を再現できるよう、プロテクターも装着するのがおすすめです。
様々なメーカーからレーシングスーツが販売されており、価格帯も様々なので、初心者の方は手軽に購入できるものを選びがちですが、その分性能が劣る場合もあります。
レーシングスーツはレーシングスーツは命を守るための装備であるため、信頼できるメーカーを選ぶことが重要です。
そのため、レースやサーキットでの実績を積んでいるメーカーであるか確認して選ぶと、不安要素が少なくなり走行に集中できるようになるでしょう。
カラーやデザインが商品によって様々なものがあるので、自分好みであるか、バイクのカラーとマッチしたものであるかも選ぶ際の大切なポイントです。
また、レーシングスーツは基本的に通年で使用するものなので、夏場は通気性が良いか、冬場はインナーやアウターなどを使って温度調節が可能かなど、用途にあった使い方ができるかも確認しましょう。
海外メーカーのレーシングスーツを購入しようと考えている方は、サイズチェックが必要不可欠です。
海外メーカーのものは日本人の体格と違う基準で作られてるものが多くあるため、しっかり採寸して自分の身体に合ったものを選ばなければ着心地や操作性が悪くなります。
メーカーによっては、部分的にサイズ修正できるレーシングスーツもあるため、チェックしてみましょう。
国内で開催されるMFJ公認レースにエントリーする場合、ヘルメットのほかにレーシングスーツも「MFJ公認」のものを選ぶ必要があります。
財団法人日本モーターサイクルスポーツ協会が定めた規格です。
認定されているレーシングスーツには「MFJ公認」のタグが取り付けられています。
ライダーの中には「一度はサーキット場を走ってみたい」と思う方も多いでしょう。
公認レースに参加するのはハードルが高いかもしれませんが、大手バイク用品店やショップ、サーキット場などが定期的に開催している体験走行会などは、初心者の方でも比較的手軽に参加しやすいので、興味のある方はサーキット場やバイク用品店のホームページなどをチェックしてみると良いでしょう。
レーシングスーツは高価なウェアなので、今回紹介した選び方のポイントを参考に、バイク用品店などで現物をチェックし、試着して自分にフィットするか確認してから選ぶのがおすすめです。
自分に合ったレーシングスーツを装備して安全にサーキット走行を楽しみましょう。