バイクタイヤのビードが上がらない原因と対処法|初心者でもできる7つの解決策
バイクのタイヤ交換に挑戦したものの、ビード上げでつまづく人は多いです。特に初心者にとって、正しい方法がわからないと大きなストレスになってしまうでしょう。
この記事では、バイク初心者でもタイヤビードを確実に上げる方法をわかりやすく解説します。
具体的には、主に以下の5つのことをお伝えします。
この記事を読むことで、自分でタイヤ交換に挑戦できる自信をつけることができ、ビード上げのコツを学ぶことができます。ぜひ最後までお付き合いください。
バイクのタイヤ交換は、安全な走行を維持するために欠かせないメンテナンスの一つです。しかし、初めて挑戦する方にとってはハードルが高く感じられるかもしれません。ここでは、タイヤ交換の重要性や必要な知識をまとめました。
タイヤはバイクと路面を唯一つなぐパーツであり、その状態は走行性能や安全性に直結します。タイヤの溝が減ったり、ひび割れが発生すると、グリップ力が低下し、スリップや転倒のリスクが高まります。
一般的に、タイヤの交換目安は走行距離5,000kmから10,000kmとされていますが、使用状況やタイヤの種類によって異なります。また、製造から数年経過したタイヤはゴムが劣化しやすいため、定期的なチェックが必要です。
タイヤ交換は専門的な知識と工具が必要な作業です。以下のポイントを参考に、自分で交換できるか判断しましょう。
もし、これらの条件を満たさない場合は、無理をせず専門店に依頼するのもおすすめです。
タイヤ交換に必要な主な工具は以下の通りです。
作業はできるだけ平坦で清潔な場所で行いましょう。
タイヤにはチューブタイヤとチューブレスタイヤの2種類があります。
チューブタイヤは、タイヤの内側にチューブを入れて空気を保持する従来型のタイヤで、主にオフロードバイクやクラシック車両のスポークホイール装着車で使用されています。チューブが傷つきやすいため、タイヤレバー使用時は特に注意が必要です。
チューブレスタイヤは、タイヤとホイールが直接密着して空気を保持する方式です。近年、原付から大型バイクまで多くのバイクがこのタイプを採用しています。ビードの密着が重要で、ビート上げが不完全だとエア漏れを起こします。
以下のように、作業時の注意点も異なります。
チューブの有無で作業手順が大きく変わるため、タイヤ交換前に必ずタイプを確認してください。誤った方法で作業を行うと、タイヤやホイールを傷める可能性があります。
この記事では、チューブレスタイヤの場合の作業内容を取り上げています。
タイヤ交換時に多くの人が直面するのが、ビードが上がらないという問題です。ビードとは、タイヤの内側の縁で、ホイールに密着して空気を封じ込める役割を担っています。ここでは、ビードが上がらない原因とその対策について解説します。
ビードが上がらない最大の原因は、タイヤとホイールの間に隙間があり、空気が漏れてしまうことです。密着不足だと十分な空気圧がかけられず、タイヤが正しく装着されません。タイヤの歪みやホイールの汚れ、サイズの不適合などが原因で密着がうまくいかないことがあります。この密着不足が起こる4つの主な理由について見ていきましょう。
タイヤを横置きで長期保管したり、重い荷物を上に載せたりすると、ビード部分が歪んでしまいます。
新品タイヤでも、運搬時や保管時の状態によってビードが歪むことがあります。特に、夏場の高温環境での保管は注意してください。このような歪みは、一度発生すると完全な修正は困難です。予防が最も重要で、タイヤは必ず縦置きで保管するようにしましょう。
ビード部分に付着した泥や砂、錆などの汚れは、密着を妨げる大きな要因となります。
また、タイヤ交換作業時にタイヤレバーで傷をつけてしまうこともあります。一度傷ついたビードは、エア漏れの原因となります。作業前には必ずビード部分とリム部分を清掃し、傷の有無を確認しましょう。
タイヤサイズとホイールサイズの不適合は、致命的な問題です。同じ17インチホイールでも、ホイール幅とタイヤ幅が適正でないとビードが適正に密着せず、装着できません。ホイールとタイヤの適応できる幅は、タイヤメーカーのカタログで確認してください。
事前に適合するサイズを確認しましょう。
過去の事故や強い衝撃によってホイールが変形していないかチェックしましょう。リム部分の歪みは目視では分かりにくいため、専門店でチェックすることをおすすめします。
タイヤをホイールに装着した後、軽くバウンドさせることで、タイヤがホイールに密着しやすくなります。バウンドの衝撃でビードがリムの溝に嵌まり込み、空気を入れた際にビードが上がりやすくなるのです。
以下の手順で行いましょう。
バウンドさせる際は強く叩きつけすぎないよう注意してください。コンクリートなどの硬い地面での作業は避け、必ずゴムマットなどの上で行いましょう。
ラチェットタイダウンベルトでタイヤのトレッド面を締め付けると、ビード部が広がりホイールに密着しやすくなります。コンプレッサーがない場合や、通常の方法でビードが上がらない場合に試すと良いでしょう。手順は以下の通りです。
タイヤとホイールの間の隙間が減少することで空気が漏れにくくなるため、ビードが上がりやすくなります。くれぐれも指などを挟まないよう注意してください。この方法は150サイズまでのタイヤで効果的ですが、それ以上のサイズでも試す価値があります。
タイヤを温めて柔らかくしておくと、ビード上げがより楽になります。以下のような方法があります。
温めることでタイヤのゴムが柔軟になり、ビードがリムに密着しやすくなります。特に寒冷期や朝方の作業時には大きな効果が感じられるでしょう。ただし、過度の加熱はタイヤの劣化を招く可能性があるため注意してください。ヒートガンや熱湯などでの加熱は、タイヤを傷める原因となるため厳禁です。また、温めた後は速やかにビード上げ作業を行いましょう。
ビードを上げるには、十分な空気圧が必要です。しかし、家庭用の空気入れでは空気圧が足りない場合があります。ここでは、空気圧不足を補う工夫を紹介します。
タイヤのビードを上げる際、空気圧が高いほど成功率が上がる傾向にあります。これは、高い空気圧がタイヤとリムの間に強い力を加え、ビードをリムの溝にしっかりと押し込むためです。高い空気圧で一気に空気を送り込むと、ビードが勢いよく広がりホイールに密着します。
一般的に、ビード上げに必要な空気圧は通常の走行時の空気圧よりも高くなります。ただし、タイヤの最大許容空気圧を超えないよう注意しましょう。
ビードが上がらない場合、バルブコアを外して空気を直接タイヤに送り込むことで、より高い空気圧を得ることができます。バルブコアを外すと、空気の流量が増え、ビードが上がりやすくなります。この方法は、自宅での作業にも適しており、比較的簡単に行えます。
電動コンプレッサーは、ビードを上げるのに最も効果的なツールです。コンプレッサーを使用することで、タイヤに短時間で大量の空気を送り込み、高い圧力をかけることが可能です。手押しポンプでは対応が難しい場合に、コンプレッサーがあると作業が大幅に楽になるでしょう。
電動コンプレッサーがない場合、手押しポンプでもビードを上げることが可能です。ただし、十分な空気圧を得るには時間がかかり、根気が必要です。素早くポンピングするのがポイントです。
ビードが上がらない場合、潤滑剤を使うことで作業をスムーズに進めることができます。潤滑剤を使うとタイヤとホイールの接触面が滑らかになり、ビードが上がりやすくなります。ただし、適切な潤滑剤を選ぶことが重要です。
潤滑剤の主な役割は、タイヤとホイールの摩擦を低減させることです。滑りやすくなることでビード上げに必要な力が小さくて済み、タイヤやホイールへの傷付きも防止できます。
ただし、潤滑剤なら何でも使えるというわけではありません。タイヤの素材を痛める可能性のある製品や、乾燥後も滑り続けてしまう製品は避ける必要があります。以下、具体的な製品について詳しく見ていきましょう。
ビードワックスやビードクリームは、ビード専用の潤滑剤で、安全に使用できます。ビードとホイールの密着性を高める効果もあります。
メーカー純正のビードクリームは、タイヤの材質を考慮して作られています。価格は1000円前後とやや高めですが、少量で効果が高く、何回も使用できます。
清潔な布やスポンジで薄く均一に塗布してください。厚塗りは逆効果で、ビードの密着を妨げる原因となります。タイヤのビード部分とホイールのリム部分の両方に塗布しましょう。
石鹸水は、古くから使われている安全な代替品です。一般的な中性洗剤を水で薄めて使用します。
作り方は簡単で、水1リットルに対して中性洗剤を数滴落とす程度です。濃すぎると逆に効果が落ちるので、薄めに作りましょう。
石鹸水の利点は、乾燥後に潤滑効果が失われることです。これにより、走行時の安全性が確保できます。また、タイヤを傷める心配もほとんどありません。
シリコンスプレーの問題点は、持続性が高いことです。一度塗布すると完全な除去が困難で、長期にわたって潤滑効果が持続します。これは走行中のタイヤのズレを引き起こし、最悪の場合、タイヤの脱輪につながる可能性があります。
また、石油系溶剤入のシリコン潤滑剤はゴムを劣化させる性質があります。タイヤの寿命を縮める可能性があり、経済的にも安全面でもマイナスとなります。
タイヤ交換は正しい手順で行えば、初心者でも安全に作業できます。以下に具体的な手順を示します。
タイヤ交換を始める前に、すべての必要工具が手元にあることを確認しましょう。手順が進むたびにその都度工具を取りに行くのは効率が悪く、集中力を途切れさせる原因になります。
作業スペースの確保も重要です。バイクを安定させるためのメンテナンススタンドや、膝をつくためのマットなども、あれば作業がより安全に行えます。
バルブコア中心の心を押し込みタイヤの空気を抜き、空気圧を下げておきます。空気が抜けなくなったら、虫回しでバルブコアを反時計回しに回して取り外します。この時、タイヤの空気を抜いておかないと、バルブコアを外した際に勢いよく飛び出してしまうので注意してください。
ビード落としは、力の入れ具合が難しい作業です。タイヤ側面を膝や手のひらを体重をかけて押し、タイヤのビードをゆっくりとリムから外します。外れた勢いで手首や膝を傷めないように注意が必要です。
専用のビードブレーカーを使用するのが最も安全に作業ができます。少ない力で安全に作業ができるので用意しておいたほうが良いでしょう。
ビードは片側ずつ落としていきます。一周するように少しずつ力を加えていき、無理な力は避けましょう。ビードが落ちる際の手応えを感じ取ることが大切です。
タイヤレバーをビードとホイールの間に差し込み、少しずつタイヤを外していきます。レバーを使う位置を変えながら、無理なく進めましょう。
まず、タイヤのビードがホイール中心のくぼみに落ちる様に、膝で押さえつけてください。ホイールとビードに隙間ができるので、タイヤレバーを隙間に差し込み、片側のビード部分に引っ掛け、ホイールのリム部分を支点とし、テコの原理でタイヤを外していきます。この時、レバーを差し込んだ反対側のビードが、ホイール中心のくぼみから外れない様にしっかり抑えてください。半周ほどリムから外れると、手の力だけでも外せます。同じ様な手順で反対側も作業しますが、タイヤ内側からアクセスし、同一方向にタイヤを外してください。
初心者がよく陥る失敗は、一度に大きく外そうとすることです。必ず少しずつ、タイヤを回しながら外すようにしましょう。
ホイールのリム部分と新しいタイヤのビード部に、適量のビードクリームを塗布します。これにより、取り付けがスムーズになります。
ビードクリームは、ホイールのリム部分とタイヤのビード部分の両方に薄く均一に塗りましょう。塗りすぎは逆効果なので、布やスポンジでムラなく塗布することを心がけてください。タイヤ内周全体に行き渡らせることが重要です。
塗布前に、リムやタイヤのビード部分の清掃も忘れずに行いましょう。僅かな砂やゴミでも、密着不良の原因となります。
タイヤをホイールに乗せ、均等に圧力をかけてホイールにしっかりと装着します。タイヤを押し込む際は、体重をかけてゆっくりと押し込むようにし、タイヤがしっかりとホイールに密着するように注意しましょう。
まず、タイヤの回転方向を確認します。タイヤ側面に矢印で示されているので、必ずこれに従ってください。タイヤの片側をまずホイールにはめ込み、次にもう片側を装着します。手で押し込めるところまで進めたあと、タイヤレバーを使って均等にビードをはめていきますが、ビードを傷つけないよう十分注意を払いましょう。力任せな作業は厳禁です。
タイヤレバーで入れづらいなと思ったら、すでに嵌まっているビードがホイール中心のくぼみに落ちるように膝でしっかり抑えてください。ビードがリム側に乗っていると入りません。
いよいよビード上げの作業です。ここまでの準備を丁寧に行っていれば、ビード上げもスムーズに進むはずです。
まず、バルブコアをしっかりと取り付けます。次にコンプレッサーや空気入れでタイヤに空気を入れます。空気圧は高めに入れ、タイヤ全周のビートがリムの内側に収まっているか確認します。コンプレッサーで一気に空気を入れると「パン」と大きな音がでる程の勢いでリムとビードが嵌ります。リムとビードに指や軍手が挟まれないように注意してください。
空気が抜けて圧がかからない場合は、前述したタイヤを弾ませたり、ラチェットベルトの使用など、状況に応じて適切な方法を選択しましょう。
タイヤがホイールにしっかりと装着されたら、エアゲージで空気圧を確認し、適正な値に調整します。タイヤの適正空気圧はバイクの取扱説明書に記載されていますので、必ず確認してください。
次に、タイヤ側面にあるビードラインを確認します。ラインがリムの端に沿って均一に表れていれば、正しく装着できている証拠です。全周にわたって目視で確認しましょう。
最後に、石鹸水をスプレーするなどしてエア漏れがないかチェックしてください。泡が出る箇所があれば、その部分の密着が不十分な証拠です。
タイヤ交換作業には、いくつかの重要な安全上の注意点があります。以下のポイントを押さえましょう。
タイヤ交換やビード上げは、最初は難しく感じるかもしれません。しかし、正しい手順とコツを押さえれば、初心者でも安全に行うことができます。自分でタイヤ交換ができるようになれば、バイクライフがさらに充実するでしょう。ぜひ挑戦してみてください。
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