バイク初心者がエンストする理由・対処法&覚えておきたいクラッチのコツ
エンストとは、エンジンエンジンストールの略で、エンジンが停止してしまう状態を指します。
「公道を走っている時にエンストしたらどうしよう」と、初心者の悩みのひとつでもあります。
なぜバイクがエンストしてしまうのでしょうか。
バイクに原因がある場合もありますが、操作方法が原因の場合もありますので、クラッチのコツも覚えておきましょう。
バイクがエンストする原因や対処法を知っておけば、安心して公道に出られるようになるでしょう。
エンスト対策のひとつとして、操作性の高いグローブもご紹介しますので参考になさってください。
バイクがエンストしてしまう原因は、大きくわけると以下の4つのような点が挙げられます。
突然エンストが起こるのは、電気系のトラブルが考えられます。
スパークプラグやイグニッションコイルはエンジンが動くために不可欠な部品となりますので、これらに不具合があるとエンストしてしまう可能性があります。
また、バッテリーの劣化によるエンストもあるでしょう。インジェクション車両は、制御系統を保護するため、バッテリー電圧が規定以下になるとエンジンが停止してしまう車両もあります。
メインスイッチやキルスイッチの不具合も電気系トラブルとして発生します。経年劣化により接点不良を起こし、走行の振動で接続不良を起こすことも古いバイクでは発生します。
バイクは小さな部品も多く使われていますが、たったひとつでも電気系の部品にトラブルが起こると走行できなくなるかもしれません。
電装系のトラブルは、自分では原因の特定が困難な場合も珍しくなく、修理に時間がかかる場合もあります。
燃料系のトラブルによるエンストとは、ガソリン不足だけではありません。
これらの原因でバイクがエンストしてしまう場合があります。
燃料フィルターはガソリンの異物を取り除くという働きがありますが、汚れや不具合があると、燃料供給がストップしてしまいます。
また燃料の質も重要で、異物が混入しているような不適切な燃料だと、エンジン出力が不安定になり、エンストを起こす可能性があります。
バイクが加速するタイミングでエンストが起きるのは、制御系のトラブルかもしれません。
例えば、エンジンコントロールユニットの不具合によりエンジンの燃料噴射や点火タイミングが適切に制御されないと、エンストが起こる原因になります。
バイクが加速するには、熱量と空気のバランスがポイントです。
燃焼噴射量がうまくコントロールできなくなると、エンジンが止まる原因となります。
クラッチやチェンジペダルの操作ミスが、エンストの原因になる場合もあります。
タイミングや慣れが解決する部分もありますが、初心者にとっては不安要素のひとつとなる方が多いようです。
ちょっとした操作ミスで終わればいいですが、エンストしてしまうと周囲の視線が気になったり、焦ってバイクの操作を誤ってしまうでしょう。
単純な操作ミスであれば、落ち着いて対処すれば大丈夫です。
エンストの原因ともなるクラッチの操作には、ちょっとしたコツがあります。
発進時のクラッチ操作は最初の関門といえるほど、初心者にとって難しいものと感じている方もいるかもしれません。
MTバイクの左手元についているレバーが、クラッチレバーです。
このレバーを操作し、クランクケースの内部にあるクラッチユニットを動かしています。
クラッチユニットは複数のパーツで構成されており、レバーを放したり握ったりしてこれらのパーツを繋げたり離したりという操作をしています。
クラッチを完全に離すでも、繋げるでもない、「半クラッチ」という状態にすると、エンジンの動力を少しづつトランスミッションに伝えていきます。
エンジンのパワーをいきなり全開で伝えるのではなく、スムーズにギアへと伝えていくという操作方法です。
バイクが発進する準備ができていないのに、いきなりクラッチレバーを離すとエンストしてしまいます。エンジンの力が足りずバイクの重さを動かす事できないのです。
また、エンジンの回転を上げて力を増した状態で一気にクラッチを繋ぐと、ウイリーや後輪がスリップを起こし、転倒する危険を伴います。クラッチ板の劣化も早まり滑るようになってしまいます。
エンストを防ぐためには、半クラッチの操作が重要になってきます。
正直2速からでもバイクは発進させられるでしょう。
しかしお伝えした理由により、2速以上のギアでは力が足りず、エンストのリスクが上がってしまいます。
バイクを発進する際には、クラッチレバーをしっかり握り、まずは1速に入れましょう。
ゆっくりレバーを離すと半クラッチの状態となり、エンジンのパワーが少しづつ伝わっていきます。
エンストしやすい人は、クラッチレバーから指を離すタイミングが早いかもしれません。
発進し始めから車体が安定するまでは、半クラッチを維持したままアクセルを徐々に開けていってださい。10~15km/h位まで加速したらクラッチレバーを放しクラッチをしっかり繋いでください。
半クラッチをマスターすれば、エンストのリスクを減らせます。
慣れたライダーでも、発進時に急にクラッチレバーを離すような運転はしませんので、初心者は焦ってすぐに手を離してしまわないよう心がけておくといいでしょう。
初心者だと「エンストしたらどうしよう」という不安な気持ちがあるという方も少なくありません。
エンストはベテランライダーでも起こりうることなので、エンストそのものを怖がるのではなく、エンストした時の対処法を覚えておきましょう。
エンストしてしまったら、転倒しないようにバイクをしっかり足で支えてください。クラッチレバーをしっかり握り、セルボタンを押しエンジンをかけなおしてください。
直ぐにかからない場合は、ギアをニュートラルにしバイクを路肩に寄せてから、再度セルボタンを押してください。特にキャブ車では、エンスト後直ぐにかからないことがあります。セルボタンは5秒以上長押しせずに時間を開けて数回に分けて押すようにしてください。
交通量が多い場所では、早めにバイクを路肩に寄せて、邪魔にならないよう注意します。
信号待ちでエンストすると焦ってしまいますが、まずは落ち着いて対処できるよう心がけます。
エンストの原因として、燃料系トラブルなどをご紹介しましたが、これらに当てはまるようなバイクの不具合は起きていないでしょうか。
制御系トラブルは目で見ただけではわからないかもしれませんが、冷静にバイクを観察すると何か原因がわかるかもしれません。
定期的にチェックしておきたい場所としては、燃料フィルターに汚れや不純物がないか、燃料ラインが詰まっていないかという点です。
電子制御系の診断を受けるなど、定期的にバイクのメンテナンスをしておくと安心です。
バイク初心者が公道走行をする際に不安に感じるのは、エンストだけではありません。
他にも以下のような不安を抱えている方もいるかもしれませんが、対処法を考え、できるだけ不安がない状態で走行できるようにしておきましょう。
エンストは初心者だけが起こるトラブルではありません。
誰にでも起こり得るものなので、エンストが起きないように、起きたらどうするのかを考えておきます。
エンストに関しては、自分のバイクがどこでクラッチを離すとエンストしやすいのか、といったバイクの傾向を知っておくのも重要な対策です。
また車間距離が狭すぎると、トラブルが起きた際に対処しきれず事故になってしまう可能性があります。
公道に慣れるまでは、できるだけ左側を走行する、慌てず車間距離を保つ、混雑する道を避けるなどの安全運転を心がけておきましょう。
教習所でも1番最初に習う取り回しをスムーズにできるよう、練習しておきましょう。
バイクを発進させる前や、道を間違えた時など、意外と取り回しを行うシーンがあります。
最初のバイクの納車がお店ならば、お店で少し練習させてもらってから公道に出るといいでしょう。
自宅に納車される場合は、自宅のバイク置き場で練習をしておきます。
バイクによってクセがあるので、慣れるまでは不安を感じるかもしれません。
できるだけ自信を持って公道に出られるよう、不安要素はなくしておきましょう。
停車中や超低速走行時に、バイクにまたがった状態で倒れてしまう状態を立ちゴケといいます。
発進直後のクラッチ操作や停車時の急ブレーキは、バイクが倒れやすくなるので、できるだけしないようにしましょう。
シートの位置が高く、足つきが悪いバイクは立ちゴケしやすいので、初心者の場合は足がべったり地面につく安定したバイクを選ぶといいでしょう。
発進時に車体が安定するスピードに達するまでは、左足をステップに乗せず直ぐに足が着ける準備だけしておきましょう。たちゴケのリスクを減らしてくれます。
バイクの乗り降りやUターンといったバランスの取りにくい動きをする時には、立ちゴケに注意しましょう。
バイク初心者が公道に出る際には「後続車にあおられるかもしれない」という心配があるかもしれません。
あおり運転は、イライラしている、急いでいる、という後続車側の原因が考えられますが、もしかしたらバイクの速度遅い、という原因があるかもしれません。
中には無意識の場合もありますし、女性ライダーだとわかるとあおり運転をされる場合もあります。
あおり運転されていると気付いたら、適度な直線で左ウインカーを出し、路肩に寄ってブレーキを軽くかけ減速してください。減速することで抜かしてほしいと言う意思表示にもなります。
また、この様な場合は、急停止や完全に停止することは避けてください。
後続に長蛇の列ができてしまった場合は、広い路肩を見つけ次第、左ウインカーを出し、停車して後続車を先行させてください。
みだりに車線変更をしたり、急な割り込みや急ブレーキといった迷惑運転をすると、あおられてしまう可能性がありますので、注意しましょう。
手袋を厳選すれば必ずエンストしないというわけではありませんが、あまり厚手の手袋だと操作しにくく、細かい操作ができないとエンストしやすくなるといえます。
そのため初心者はエンスト対策のひとつとして、操作性の高い手袋を選んでみるといいでしょう。
2りんかんで購入できる、3つのグローブをご紹介します。
2りんかん公式サイトより引用
甲部、掌にカーボン素材を使用したプロテクターを採用しており、安全性を重視したいライダーにおすすめです。
ウインターグローブは操作性が低くなるものもありますが、操作性の高さが特徴で、保温性も充分でどんな天候でも使用できます。
タッチスクリーン対応なので、グローブを装着したままスマホの操作もできます。
2りんかん公式サイトより引用
サマーグローブで、通気性・操作性の高さが特徴です。
柔らかくストレッチ性のある素材で作られており、春・夏・秋は快適に過ごせます。
掌側は牛革仕様で吸い付くようなグリップ感を実現しましたので、着け心地のよいグローブです。
色は全6色と豊富なので、お好きなタイプが選べます。
2りんかん公式サイトより引用
ツーリングにもキャンプにも使える、国産ウォッシャブルレザー使用したタフなレザーグローブです。
革手袋職人が作り上げたグローブで、抜群のはめ心地と操作性の良さが特徴です。
立体設計になっているので、ライディング時には気持ちのよい装着感を感じられます。
水に濡れても安心で、カラビナ付きなのでオシャレに持ち運べるのもポイントです。
バイクがエンストしてしまうのは初心者だけではありません。
バイク内のパーツが古くなっていたり、汚れていたりというのもエンストの原因なので、ベテランライダーであってもエンストに遭遇するという場面もあるでしょう。
また、気温の急激な変化でエンジン出力が一時的に下がったり、地面の凹凸が思ったより大きかったりなど、いつものクラッチワークとちょっと変わる事があると、ベテランでもエンストしてしまいます。
まずは焦らないというのが大切なのかもしれません。
エンストして焦ってしまうと周囲の目線も気になるものですが、「周囲は意外と見ていない」というのも正直なところかもしれません。
バイクのエンストは誰でも起こる可能性があるものです。
初心者でなくても起こり得るので、どう対処していくかが大切です。
初心者であれば、走行マナーを守り安全運転をする、アイテム選びでは操作性の高いグローブを選ぶ、というような備えができます。
エンストは本人にとっては大事件ですが、他人からみれば大したことではないかもしれません。
まずは焦らず、冷静に対処できるよう心得ておきましょう。
エンジンの不具合や、走行中の違和感を感じた方はまず一度来店し、違和感の原因を確認すると良いと思います。
2りんかんでは、国家整備士が法定点検も行っていますので、ぜひご気軽に来店ください。