バイクで「事故る人」には特徴がある?事故の原因を知って備えよう
交通事故の原因は不注意だけではありません。
バイクを運転するライダーの性格が、事故に関係するという一面もあるかもしれません。
バイク事故は自動車の事故とは違った特徴がありますので、まずはバイク事故の特徴を確認してみましょう。
さらにバイク事故を起こしやすい人の特徴には、どんな共通点があるのかを考えていきます。
バイクで事故を起こしてしまいそうな性格だと自覚がある方は、どのような対策ができるかを考えながら記事を読んでみてください。
バイク事故は、自動車事故とは異なる点がいくつかあります。
致死率や怪我の部位など、バイク事故ならではの特徴について確認しておきましょう。
バイク事故は、自動車での交通事故と比較すると、致死率が高いという特徴があります。
バイクは自動車のように体が守られていませんので、大きな怪我につながりやすく危険が大きくなります。
2023年中の東京都内の交通事故での死亡事故は、バイクでの事故が多くなっています。
乗り物 | 死亡者の割合 |
バイク | 32.4% |
自転車 | 23.5% |
自動車 | 3.7% |
歩行者 | 40.4% |
自動車や自転車よりも、バイク事故の方が死亡者が多いとわかります。
自転車よりもスピードが出しやすく、自動車よりも怪我につながりやすいバイクは、これらの他の乗り物よりも危険が多いと理解しておくべきです。
バイク事故は大きな怪我につながりやすいとご説明しましたが、ではどの部位の怪我が致命傷になるのでしょうか。
死亡という最悪の状態にならないよう、バイク事故ではこれらの部位が特に危険であると理解しておきましょう。
致命傷部位 | 割合 |
頭部 | 31.8% |
胸部 | 31.8% |
腹部 | 9.1% |
その他 | 27.3% |
バイク事故で致命傷となるのは、頭部と胸部です。
頭部はヘルメットをかぶっていますが、胸部は無防備であるという人も多いかもしれません。
安全運転を心がけていたとしても、事故はふとした瞬間に起こってしまいます。
バイク事故が起こりやすいシーンを確認しておきましょう。
事故シーン | 割合 |
右折時 | 27.3% |
単独 | 22.7% |
追突 | 13.6% |
追い越し | 13.6% |
出会い頭 | 11.4% |
正面衝突 | 2.3% |
その他 | 9.1% |
自動車でも多いように右折時の事故が、バイク事故の原因1位となっています。
バイクでの単独事故とは、「カーブを曲がり切れずに転倒した」「ガードレールに追突した」という状況が多いようです。
単独事故は防げる事故でもありますので、転倒しやすい場所ではスピードを出しすぎないなど安全を意識した運転をしたいものです。
バイクでの事故が起こりやすいのには、いくつかの原因があります。
バイクで運転していると、自動車よりも小さいため自動車の死角に入ってしまいます。
車線変更や右左折の際に、ヒヤっとした経験があるライダーも多いでしょう。
死角に入ってしまうとドライバーからは見えていませんので、バイクの存在に気付かずに運転をしている状態です。
車のドライバーから見た死角を理解し、ライダーは死角に入らないように運転するようにしましょう。
自動車よりも車体が小さいバイクは、対向車側から見ると距離感がつかみにくい存在です。
ドライバー目線で見ると、もっと遠くにいるように見えており、スピードも遅く見えています。
まだ距離が充分にあるように見えるため、対向車のドライバーは誤って右折してくるかもしれません。
「相手からそのように見えている」とライダーが認識しておけば、もしもの場合でも接触を防げるかもしれません。
バイクの走行中に車体を倒しすぎて転倒してしまう場合もありますが、立ちゴケというパターンもあります。
サイドスタンドのかけ忘れといったうっかりミスでの立ちゴケなど、防げるものもあります。
走行中の転倒はスリップダウンや急ハンドル、Uターンが主な原因で、こちらも安全運転をしていれば防げる可能性が高いです。
ブレーキをかけてから停止するまでの時間を制動距離といいますが、バイクは自動車よりも制動距離が短いという特徴があります。
急停止をした際に自動車の方が制動距離が長くなりますので、バイクは追突されやすくなります。
ただし路面が濡れていたり、いつもより重たい荷物を乗せている時は、普段よりも制動距離が長くなりますので覚えておきましょう。
バイクは自動車と異なり、体が露出しています。
そのためちょっとした事故でも怪我につながりやすく、怪我の程度も重くなりがちです。
ライダーの怪我で致命傷となるのは頭部と胸部とお伝えしましたが、脚の怪我も多いので注意しましょう。
バイクはヘルメットをかぶっていますし、前かがみの姿勢で運転をしていますので、視野が狭くなってしまいます。
バイクの速度が速くなるほど視界も狭くなっていくとわかっていますので、視野を広く保つためにもスピードの出しすぎには注意したいものです。
一般的に動体視力は40歳頃から加齢に伴って緩やかに低下していきますので、ベテランライダーも過信しすぎないよう覚えておきましょう。
バイクは車体中心近くにライトがあり、自動車よりも照射範囲が狭くなります。
左右が見にくいですし、路面状態も把握しにくくなり、特に夜間の走行は注意が必要です。
夜間走行時は、ライトを照らしている部分だけでなく、常にその先を見るよう意識しましょう。
バイクでのすり抜けは道路交通法で違反となるものではありませんので、渋滞時にはすり抜けをしているというライダーも少なくないでしょう。
すり抜けは違法ではありませんが、事故の危険が高まる行為になると考えられます。
直接ぶつからなかったとしても、すり抜けによって他の車両同士の事故の引き金になってしまう可能性がありますので注意しましょう。
また「追い越し」「追い抜き」禁止のエリアですり抜きをすると、違反になる可能性があります。
バイクでの事故をしてしまう人の性格的な特徴について、考えてみましょう。
自信過剰な人は、バイクの運転技術にも自信をもっています。
普段は優しいタイプの人でも、バイクになるとなぜか万能感を感じるというタイプの人もいるのではないでしょうか。
ちょっとしたライディング・テクニックに挑戦し、事故を起こしてしまっては元も子もありません。
自信過剰なタイプだと自覚している人は、注意しましょう。
バイクを運転している時に、「他事を考えてしまう」「ついぼんやりしてしまう時がある」という人は、注意散漫なタイプです。
運転に集中していないと、急な飛び出しといった突発的な事態に対応しきれないかもしれません。
普段から注意散漫な人は、疲れている時には特に注意し、居眠り運転やわき見運転をしないよう自覚しましょう。
感情的になり、怒りや興奮を自分でコントロールできないタイプの人も要注意です。
自分が正しいと思いがちで、他人の意見を聞かずにイライラしてしまいますので、普段から周りの人から「あまり関わりたくない」と思われているかもしれません。
冷静な判断ができない、危険なシーンでも「いける」と思ってしまうと、大きな事故につながる可能性があります。
バイクに乗っていてつい、かっこつけたくなってしまう人も不注意から事故につながる可能性があります。
派手な演出をしようとするあまり、スピードを出す、粗暴な運転を見せつけたりしようとします。
このような危険運転をしてしまう人は、「かっこいい」の意味を考え直した方がいいかもしれません。
安全運転を心がけていたとしても、いつ事故に巻き込まれてしまうかもわかりません。
バイクに乗る前には、事故に遭わないための備えを万全にしておきましょう。
バイクは自動車と同じ道を走りますが、自動車と全く同じというわけではありません。
先述したような、自動車の死角に入りやすい、遠く・遅く見えやすいといったバイクならではの特性を理解して走行するようにしましょう。
死角に入らないようにすこしズレて走る、右左折時は余裕を持って左右確認をする、というような安全確認をしておけば、事故を減らしていけるでしょう。
バイクは体が守られていませんので、自動車と接触したり転倒した時には、大きな怪我につながりやすいです。
ヘルメットやプロテクターといった装身具を身に着けておくと、万が一の際に命を守るということに直結します。
バイクでの死亡事故の多くは、頭部や胸部の怪我が多くなるという傾向があります。
ヘルメットやプロテクターだけでなく、バイク用エアバッグ、エアバッグジャケット・ベストなども検討して備えておきましょう。
基本中の基本ですが、やはり安全運転が大切です。
どんなにプロテクターやエアバックで備えたとしても、荒い運転をしていては事故につながってしまいます。
すり抜け運転は自動車の死角に自ら入っていく危険な行為ですし、急ブレーキも周囲のバイクや自動車への混乱を招きかねません。
バイクに乗るとついスピードを出したくなるという方もいるかもしれませんが、まずは安全運転を心がけてバイクの運転をするようにしましょう。
バイクにも点検やメンテナンスが必要です。
例えば、バイクに乗っていなくても、エンジンオイルは劣化していきますので定期的な交換が必要です。
エンジンオイルを交換しないでいると、燃費が悪くなる、エンジン故障の原因になるだけでなくミッションにも影響が出ると考えられます。
走行中のトラブルを防ぐためにも、きちんとメンテナンスをしておきましょう。
事故に遭ってしまうと被害が大きくなるのが、バイク事故です。
自賠責保険だけでは相手の補償のみで、かつ限度が限られていますので、自身の怪我やバイクは補償されないかもしれません。
万が一の備えとして、任意のバイク保険に加入しておくようにしましょう。
全国60店舗以上ある2りんかんでは、お客様に合ったバイク保険プランをご提案させていただいております。ご相談などお気軽にお問い合わせください。
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バイクで「事故る人」、「事故を起こしがちな人」の性格的な特徴をご紹介しましたが、性格が当てはまるからといって必ず事故に遭うわけではありません。
バイク事故の傾向も合わせてご紹介しましたので、これらのバイク事故の特徴を理解した上で、どのような対策がとれるのかを考えてみましょう。
全ての対策をした上でも、やはり基本は安全運転です。
「自動車の死角に入らない」「スピードを出しすぎない」「自分を過信しすぎない」といった基本的な心構えをしっかりともち、安全な走行を心がけてください。