
2りんかんの各種イベントにスタッフとして運営に携わっていく中で刺激を受けて、49歳でバイク再デビュー。そこから5年、今年で54歳になるが、ますますバイクに夢中になっている。夢は娘さんとのタンデムツーリングだが、現状では「怖い、あり得ない」と拒否されている哀しみを持つ。

タイヤガールやヘルメットガールなどイベントにも多数登場する華さん。バイクとクルマが大好物 "バイクとクルマで生きていく"を謳うフリーマガジンBooyahの企画代表。マリンFM 86.1MHz「末飛登のWeekend Garage House」パーソナリティ (毎週金曜20:00~ 同週日曜再放送14:00~)も務める。

みなさま、お久しぶりです! 49歳からバイクライフを始めた青柳さんにドキュメントするこの企画がまた動き始めました。
今回は采女 華さんとキャンプツーリングへ行きます。華さんはキャンプに興味を持っているものの「テント泊とかは無理です」という超初心者。まずはキャンプの入り口を楽しんでもらうべく、コテージ泊&用品レンタルというスタイル。お姫様キャンプ、略して『姫キャン』とでも名付けましょうか。
もちろんキャンプ大好きな青柳さんはテント泊希望。用具もできるだけ揃える『ガチキャン』派です。今回は両方のキャンプの良さをプレゼンしてもらう、『姫キャンvsガチキャン対決ツーリング』となりました。

当日の朝は足柄SAに集合となっていました。足柄SAからでも美しい富士山が山頂までくっきりと見えています。絶好のツーリング日和です。早めに行った取材班は、同じく早めに到着した青柳さんから『ここまでのドラマ』を聞かされることになります。富士山を眺めるどころではありません。
「バイクはほぼ一年放置していて……」と語りだす青柳さん。この時点でダメじゃん! と突っ込まざるを得ません。「チェーンロックが開かなくて、いろいろ調べて試したんだけど……鍵が違ったんだよ」もう褒めるどころか同意することもできません。ただ呆然と聞くだけです。
「セルがカチッとも言わなくて、バッテリーを自分で交換したんだ」それは素晴らしい! ぜひ紹介しましょう! 写真ください! と褒めてみたら「写真なんてないよ」と……。ダメじゃん! あ、取り乱して失礼しました。当日までに準備を終えた点は素晴らしいですよね。「迷子も想定して早めの出発。朝は走り出すだけだったから良かった」とは本人談。こうやって成長していくんですね。
ところが、追加で「ここまでの道中が長くて、一人で……」集合場所を決めた張本人の愚痴はどうにもならないのでトイレに行ってもらったら、華さんが到着。お迎え写真も撮れないというドタバタ加減です。今日は大丈夫なのだろうか? 不安しか抱けない取材班でした。
とにかく無事に合流はできた青柳さんと華さん。その荷物の違いは笑えるほど。でも、ガチキャンプを楽しむライダーは、荷物の積み込みの工夫も楽しいもの。多くの荷物をコンパクトに積むことがひとつのステータスなのです。が! 青柳さんは一部の荷物を取材班の車に積みます。忘れていました。青柳さんはキャンプ好きですが、ライダーとしてはまだまだビギナーに入る経験値しかないのだと……。

実は「キャンプをする」ということ以外は全てノープランだった青柳さん。この後の予定を華さんや取材班に聞かれると「ツーリングと言えば道の駅でしょ」と検索。キャンプ場へ行く途中にある道の駅・ふじおやまを次の目的地に設定しました。
距離的にはそこまで長くはないのですが、さすが富士五湖周辺。美しい富士山が走りを楽しませてくれます。道の駅からも富士山は美しく、眺めて飽きることがありません。金太郎さんの像と記念写真をパチリ。としたところで、買い物を始めます。
当初はキャンプ場近くのスーパーで野菜もお肉も買う予定でしたが、道の駅には新鮮で美味しそうな野菜や果物がいっぱい! 華さんの「この苺が美味しそう!」という一言で、野菜類まで買うことに。そのお味は、後ほどのお楽しみ! あ、もちろん荷物は取材班の車へ……。リアルキャンプツーリングには戻らないようです……。
朝ごはんがまだだった華さんはここで朝食。後から「お昼過ぎにはキャンプ場に入るから、それからお昼ご飯ね」と言われ、ここで食べたことを喜ぶことになるとは、思いも寄らない華さんなのでした。

今回のツーリング「メインはキャンプ」と青柳さんは断言しました。というわけで近くのスーパーでたんまりと買い込み、いざキャンプ場へ!
走っていると眼前の富士山が大きくなっていきます。「富士山がドーン! と目の前に。天気も良くてハッキリ見えて、テンションをマックス上げてくれました!」と興奮気味の青柳さん。
今回は山中湖の湖畔にある小田急山中湖フォレストコテージで宿泊します。富士山が美しく見えるのが最大の魅力です。
まずはガチキャンをする青柳さんの準備。コテージは15時にならないと鍵をもらえないので、華さんは見学です。湖畔のテントスペースは富士山をバックに写真が撮れる絶好のロケーション。富士山を眺め、テントの前のイスに座ってコーヒー……なんて想像が膨らみます。と、ここでハプニング! 突然強風になりました! まさかテントを張るタイミングでとは思いもよりませんでした。
ベテランのキャンプライダーならばご存知でしょうが、強風の時は先にインナーをペグで地面に固定してから立ち上げます。が! そのまま普通に立ち上げる青柳さん。風に踊らされ、悩み、取材班の車に立てかける暴挙に出ます。これは傷ついたら請求書を渡さねばなりませんね。「風に苦しみながら……」と本人も苦しい記憶として残っているようです。
なんだかんだとがんばって、テントを張り終えた青柳さん、華さんに自慢しています。「この大自然の中で宿泊するんだよ。絶対に気持ち良いよ!」とキラキラした目で話します。でも実は「ペラペラなテントで大丈夫かな?」と不安だったとのこと。
一方、華さんにコテージの鍵が渡されました。中に入ってみると、布団、冷蔵庫、ガスコンロ、電子レンジ、調理器具、食器類まで揃っています! さらにガスヒーターもあるので気温も天気も問題になりません。
しかも軒先でBBQもでき、湖も一望できるのだから最高です! 「テントもコテージもロケーションが良くて大満足! よくやった俺」と自画自賛する青柳さんの気持ちもわかります。
このロケーションと内容に華さんも笑顔。「やっぱりこうでないと!」と。せっかくなのでキャンプを好きになってもらおうと、いろいろと趣向を凝らした甲斐があったというものですね。

お昼ご飯が抜きだった二人にとって、ランチなのかディナーなのかわからない食事タイムがやってきました。まず、青柳さんは地ビール、アルコールに弱い華さんはコーラで乾杯! おつまみ系の物などで少しお腹を落ち着かせたら、本日のメインイベント『キャンプ飯対決』が待っています。
コテージの調理器具を使い、室内で料理を始める華さん。一方青柳さんは外で……あれ? 青柳さん、ここ室内ですけど? 「風が強いから……」意味がわかりません。しかもヒーターの前を陣取ってるし……。
華さんの一品はトルティーヤ。包丁を使わず、お腹にしっかり貯まるキャンプに適した料理です。青柳さんはアスパラなどの野菜をふんだんに入れた鶏肉のトマトソース煮込み。実はトマトソースを買い忘れ、華さんが使ったサルサソースを分けてもらって完成した一品です。
いざ実食! 華さんのトルティーヤは生地もフライパンで軽く焼いているのでふんわりしていて優しいお味。ソースも濃すぎません。
青柳さんのサルサソース煮もマイルドな味付けでこちらも美味しいです。ただ、ご飯を炊き忘れたのは致命的でした。途中で生米を入れてリゾットにしようとしましたが、焦げついてしまいました。噛む時に注意をしないと、口の中を切りそうな勢いです。何もせずにそのままの方が良かった……。
というワケで、今回の対決は華さんの勝ち! 青柳さんの次回作に期待しましょう!

お腹が満たされたところで、日が沈んでいきます。こういった時間は、キャンプの楽しさが凝縮されているのではないでしょうか。夕暮れの空や景色は美しいですし、焚き火も映えます。
テント前で焚き火をしながら、一日を振り返りつつキャンプの魅力を話していきます。あまり長い距離は走りませんでしたが、山中湖と富士山のコンビネーションを少し眺めながら走ることができました。もちろん、走っている間のほとんどで富士山が見えていました。特に午後まで山頂が丸見えというのは、とっても貴重なのです。
お天気に恵まれたことに感謝しながら「寒くなってきたねー」と焚き火に手をかざします。この暖かさを体感できる瞬間もキャンプの醍醐味と言えるのではないでしょうか。
どっぷりと日が暮れた後はコテージに戻ります。青柳さんのシャワー後には、道の駅で購入した苺が待っています。これが「甘い! 練乳に負けない甘さ!」と大絶賛! 2パックも買ったのに、あっという間になくなってしまうほどでした♪ 甘くて美味しすぎて、華さんの顔がとろけてます
写真撮影もできない暗さの中で、それぞれテントへと戻ります。もちろん華さんはコテージでお布団での睡眠です。写真でも動画でも表現できないハプニングが襲ってきます。それは……寒さ!
この日の山中湖の最低気温は4℃を切るほど。テント泊をした青柳さんと取材班は何度も起きては寒さをしのぐために「動く」やら「自販機のドリンクを寝袋に入れる」などをしました。青柳さんはと言うと「このテント、夏用だった……」と悔やみます。そう、夏のキャンプで「このテントは涼しいんだよ」と自慢していました。テント上部には通気口があり、涼しい空気を取り込んでくれるテントだったのです。
ここで、当時の青柳さんの心境を振り返ってみましょう。「山中湖を侮っていた」という後悔が先に浮かんだとのこと。その上で「どうしようか?」には3案あったそうな。
1.コテージのドアを叩き、姫を起こして遭難している感を出して保護してもらう
2.カメラマンの車へ避難する
3.テントの中で暖の取れる物を探す
さすがに1は避難とクレームの嵐を想像して却下。2はエンジンをかけねば暖かくない。他のキャンパーも宿泊しているので、さすがに迷惑だと考えて却下。そこで3。いろいろと考えた結果、取材班用の予備寝袋を出して二枚重ね作戦へ。これが午前4時のことでした。やっと就寝したものの、富士の寒さはしのぎきれず「ほとんど寝ていない……」とのこと。まぁ、大いびきをかいていた時間もあったのですけどね。
ちなみに取材班は自販機でホットドリンクを購入。飲まずに寝袋の中に入れ、湯たんぽ代わりにして就寝しました。その話をすると「なんで気づかなかったんだ! 俺のバカバカバカ」と後悔しきりでした。
午前7時半、日も昇ったことだしと一目散へコテージへと向かう青柳さん。作戦1の決行です! お化粧の途中だというのに、撮影NGを条件に中へ入れてくれた優しい華さんです。
ヒーターにしがみつくように横になり、身体を温めていきます。「キャンプにヒーターなんてあり得ないだろう」と思っていたはずなのに、「ヒーター最高!」と半ば放心状態で疲れ果てて横たわる青柳さんへ、暖かいお茶をふるまってくれる優しい天使。テキパキと朝食の準備までしてくれます。「もう、姫キャンの勝ちで良いよ」と完全にノックアウトされたようです。

暖かい陽射しがあれば、夜の寒さがウソのようなツーリング日和になります。楽しくも辛いキャンプが終了となり、プチツーリングを楽しみます。とは言え二日目のこの日もノープランに違いはありません。
「神社が良いんじゃない?」というのはいつもの青柳さんプラン。縁結びのご利益があるという浅間神社、諏訪神社をまわることに。富士山を眺め、陽射しでキラキラと輝く山中湖の湖面も楽しみながら走ります。
平日ではありますがライダーが多く、ピースサインを送ってくれます。「突然だったので、あっと思っているうちに通り過ぎてしまった。今度から準備しておこう」ということも。いつでもピースできる余裕を持ってライディングできるようにしておけると最高ですよね。
昨夜に凍えていたことなんて、すっかり忘れてしまったよう。GSRの良さ、楽しさも再確認し、ツーリングを楽しんでいました♪
青柳さんと言えば神社のご朱印帳。今回は忘れてしまったようですが、御朱印はやっぱり欲しいようです。「仕事の出会いを大切にしたい」という二人は縁結びで神社を検索。諏訪神社がヒットします。富士山と言えば山頂に浅間神社があることでも有名ですので。浅間神社にも行こうということに。
美しい富士山と山中湖の輝きのコラボを眺めながら走ります。短い距離でも、満足できるのが湖畔ツーリングの良いところです。
実は華さんにとって、これが初詣だったのです! しっかりとおみくじも引き、見事に中吉。「微妙ですね、私らしい」とは本人談。諏訪神社に参拝し、御朱印のお願いをして浅間神社の場所を聞いてみると、なんと歩いて行けるほど近い! 待ち時間で参拝できるので、そのまま移動します。
どんな願掛けをしたのかはわかりませんが、真剣な顔で参拝する二人。きっと願いが叶うことでしょう。
諏訪神社
浅間神社

朝食をしっかり食べたので、お昼時でも「小腹が空いた」という程度の二人。せっかくなのでスイーツをいただこうと検索! 湖畔にあるカフェ、ペーパームーンへと走ります。すると……宿泊したコテージのすぐとなりでした。完全に山中湖を一周したのです。
お洒落なお店の中へ入り、とろけるほど美味しいスイーツをいただきます。二人で一緒に走った距離はそこまで長くはありませんでしたが、景色の話、キャンプの話は楽しいもの。もちろん会話の時にはマスクを着用します。

コテージは虫が入ってしまった以外、文句のつけようがなかったですね。本当に快適でした。今回は姫対応していただいて、ありがとうございました。朝に寒いからとお化粧中なのに青柳さんが入ってきたのは事故でしたね(笑)。春は寒暖の差が激しいのだし、みんなコテージ泊にすれば良かったのにって思っちゃいました。もちろん別棟で、ですけど(笑)。
キャンプ飯対決は本当に楽しかったです。またやりたい! デイキャンプで良いからやりましょう!
ツーリングは景色が良くて、お天気も良くて、最高でした。距離的にも疲れすぎず、ちょうど良かったと思いました。ただ、集合場所はもう少し手前の海老名とかでも良かったんじゃないかなぁ? 一緒に走る距離が少なすぎる気がします。ワインディングでは少しで良いから前を走りたかったですね。バイクの特性が違うので、前で自分のライディングをしたかったです。
(青柳さんのライディングについて)以前にご一緒した時にしもちゃん(下川原リサさん)と話していたんですけど、右に傾きがちです(笑)。荷物が曲がっているからそう見えるだけかもしれませんけど、真っ直ぐの方がカッコいいので、意識してほしいです。でもライディングは上手になったと思います。以前は怖いくらいでしたから(笑)。また一緒に走りましょうね、青柳さん。